2020年に実施される新学習指導要領 アクティブ・ラーニングとは?

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2020年は東京オリンピック開催予定のビッグイヤーです。しかし大学入試の転換期というのもご存知でしょうか。どの教科も多少一変するのですが、特に英語は大きく変動されると言われています。それは「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる英語力を取り入れた入試になることです。

一体アクティブラーニングとは何でしょうか?将来の入試や学校の授業はどう変わるのか?今日はこれらについて詳しく紹介します。

1.アクティブ・ラーニングで日本人は変われるか?

日本人は幼いころから英語を勉強しているが、実際に話せる人は少ない。世界ではそのように見られています。

確かに今の大人の多くは中学生から本格的に英語を学び、人によっては大学までの約10年間、しっかりと英語の勉強をしています。しかし日常会話に困らないほど英語を話せる日本人の割合は、大人の中でもたった2割程度しかいないそうです。この状況を打破すべく、政府はアクティブ・ラーニングを授業で積極的に導入するよう動き出しています。アクティブ・ラーニングを導入することにより、文科省は世界で通用する英語力アップを目指しているのです。

1-1.ただ話すのではなく、「自分の考えをどう話せるか」が問われる

アクティブ・ラーニングにおける英語は、簡単に言うと「自分の考えまでも話すことのできる英語力」を言います。

これまでも英語は「聞く」「読む」「話す」「書く」という4技能を中心に指導されてきましたが、中でもスピーキングという「話す」ことが苦手な生徒が多く、学校も頭を悩ませてきました。また話せても自分の考えを述べるといったことが難しく、実際に海外に行くと苦戦する日本人が多いのです。

例えば「朝食の時間は何時ですか?」といった質問に対し「食堂は7時から空いています」といった英語は話せる人は多いです。しかし、「寝坊したので朝食に間に合わない、どうすれば良いですか?」といった質問に対し、自分の考えを英語で述べることができる人は少ないのです。アクティブ・ラーニングはこうした日常生活で起こりうるさまざまなことに対し、自分で考えた言葉で伝える英語力を身につけるのが目的とされています。

1-2.自主的に学習する意欲にもつながる

アクティブ・ラーニングはすでに多くの学校の授業で取り入れられています。大学ではただ講師の話を聞いてノートを取ったり会話をするだけでなく、教室でのグループ・ディスカッションやディベート、グループ・ワークなどを取り入れています。

例えば「朝食はパンかご飯か」といったテーマをディスカッションした場合、グループ内で自分はどちらかを発表し、その理由も説明して質問にも答えなくてはなりません。つまり朝食に対する英語の知識も必要ですし、質問に対してもある程度答えられるよう準備が必要です。アクティブ・ラーニングを導入することにより、自然と自分で学習する意欲にもつなげることができます。

2.アクティブ・ラーニングにより英語はどう変わるか

アクティブ・ラーニングはこれまでの英語よりも対話を重視した勉強法です。それにより自分の考えていることをたくさん相手に伝えることが要求されます。そのため筆記よりも「聞くこと」「話すこと」の重要性が大きくなるでしょう。今はまだスタートしたばかりの勉強法ですが、数十年後にはフィリピンのように母国語と英語を自由に使い分ける国民が増えるかもしれません!?

2-1.大学入試はどのようになるか

アクティブ・ラーニングを国が積極的に取り入れた背景として、日本の大学入試と海外の大学入試との違いがあります。

例えば「あなたはアメリカとイギリス、どちらが好きですか?」といった英語の問題があるとします。日本の大学入試の場合、その理由を筆記で書けば良いとされることが多かったのですが、海外の場合は理由を英語で話し、なおかつ教養のある対話を求められます。

具体的には15秒で考え、1分以内に英語で答えろといったテストです。しかも「アメリカの方が観光名所が多くて好き」といった単純な答えではなく、「米国の経済利益を最優先するトランプ政権になり不安はあるが、日本経済に及ぼす影響は少なく友好的なアメリカが好きだ」といった社会における情報や教養のつまった回答も求められます。今の日本人学生で、こうした教養を英語で話せる生徒はどのくらいいるでしょうか。2020年からの大学入試はこうした英語の語学力、教養を伝える知識能力も問われていくことになります。

2-2.学校の授業、先生にも影響はある?

これまで行われてきた英語の授業は、教科書にそって先生の話を聞き、単語の小テストを受けてみんなでリーディングをするというのが一般的でした。しかしアクティブ・ラーニングでは生徒自ら考えて話せるような英語力が求められており、先生にとっても不安や負担は大きいものでしょう。

しかし「アクティブ」ラーニングとあるように、この勉強法の大きな違いは生徒自らが積極的に学ぶことを指しています。そこでこれからは大学だけでなく、小学校や中学校でも積極的にグループディスカッションやアイデア交換などが行われるでしょう。そういう意味では英語の授業内容がいきなりレベルアップするといったことはなく、子供たちが率先して授業を受けるスタイルに変化していくことになります。先生の負担は多少あるかもしれませんが、いきなりネイティブな発音を要求されるといったことはないでしょう。

3.家でできるアクティブ・ラーニングとは

そもそもアクティブ・ラーニングとは自分の考えを述べる英語のことだけを指すのではなく、「自ら率先して勉強をする」といった意味もあります。家庭で英語のアクティブラーニングを学ぶのは親に英語指導力がないと難しいこともありますが、勉強を自ら率先して行うアクティブ・ラーニングの基礎を身につけることが出来れば、将来の大学受験などにも役に立つことができるでしょう。

3-1.子供の質問に対し一緒に調べる

勉強で大切なことは「疑問を持つこと」です。例えば海に行ったときに「どうして海は波があるの?」と質問されたら、正確に答えられる親はどのくらいいるでしょうか。そのときに「どうしてだろうねえ」「風があるからかな?」と適当に答えてしまうと、子供もあいまいなまま済ませてしまうことになります。

理想は百科事典などで調べることですが、スマホで簡単に検索してきちんとした答えを見つけるのでも良いです。調べて検索し、明確な答えを親子で知ることにより子供にもきちんとした答えを印象付けることになります。親は子供に何か質問をされたら真摯に向き合うようにしましょう。

3-2.本の内容を教えてもらおう

読書は勉強の基礎とも言われていますが、自分一人で黙々と読むことはアクティブ・ラーニングとはやや違うイメージもあります。しかし読書を通じ、アクティブ・ラーニングをする方法もあります。

それは読んだ内容を他人に伝えることです。子供が本を読んだら「その話知らないから内容を教えて」と頼み、子供がしっかりと内容を伝えられるかどうか聞いてあげることです。聞きながら「主人公はどう思っていたのかな?」「友達はそのあとどうなったの?」などと質問をしても良いでしょう。子供自身が物語のストーリーを正確に伝え、質問に対しても考えながら答えることは、家庭でできる最も身近なアクティブ・ラーニングと言えるでしょう。

まとめ

アクティブ・ラーニングは、自ら学ぼうとする姿勢を目的とした学習です。これまでただ授業を受けるだけの受け身的な態度ではできない、画期的な学習方法です。

英語の入試問題を見てみると、質問に対し社会情勢や教養のつまった回答を求められることもあるようです。それだけハイレベルな英語力を身につけるには、進学塾などに行かないと無理だと思うかもしれません。しかしアクティブ・ラーニングはそもそも「自分で行動し、自分の考えを述べる」という目的があります。これは塾で身につけるというより、家庭で普段から自分の考えを述べるといった生活習慣で身につけることもできます。

まずは2020年の大学入試転換期に合わせ、家で子供と一緒に身近な疑問を調べたり、読書の感想を聞いたりして、言葉の知識や語彙力を増やしていきましょう。

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