待機児童の現状。少子化で解消されているという勘違いとは?

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子供の数が減っていると言われている現代、日本では国をあげて少子化を防ごうと必死になっています。

しかしそれに矛盾するように問題になっているのが「待機児童」問題です。子供が減っているのならば保育園では定員割れが続き、園の数が減っても良さそうですが、実際のところは「保育園が足りない」と言われているのです。

この待機児童問題は90年代後半から言われるようになり、いまだ未解決ですでに20年を経過しています。

なぜ少子化なのに待機児童が減らないのか、保育園だけではなく学童保育も待機児童が増えている現在、その原因や対策についてまとめてみました。

少子化だから待機児童は減っているというのはウソ

待機児童 少子化

子供が減っているのであれば、自然と待機児童も減るのでは!?そう考えている方も多いかもしれません。しかし現状は少子化なのに、待機児童の数はどんどん上がっているのです。なぜそのような現象が続いているのでしょうか。

・待機児童が多い理由、「長引く不況、雇用の不安定」

日本は90年代にバブルが崩壊し、緩やかに景気は回復しつつあると言われていますが、現状としては長い不況が続いています。

高度成長期には年功序列で給料も高くなり、子供が生まれたら「お父さんは外で働き、お母さんは家庭の仕事をする」というのが一般的でした。

しかし不況の影響で「安定」という言葉はなくなり、リストラされたり、非正規社員として働いたりする人も増えました。全体的に雇用が不安定になって給料も下がり、その結果「お父さんだけが外で働く」といった現状が難しくなり、両親共働き家庭が増えたのです。

昔は「専業主婦」という立場が多かった女性も、90年代に入ると共働き世帯が専業主婦世帯を上回るようになりました。その結果保育園や学童保育を必要とする家庭が増え、待機児が増える結果となったのです。

・子育てしにくい日本の現状

また雇用の不安定の他にも、日本は子育てをしにくい国と言われています。例えばマンションで暮らす子育て世代は、子供の泣き声や物音にクレームを言われて日中は部屋にいられない。核家族が増えている現在、子育ての相談をできる相手もいないため、日々母親が子供と向き合い追い詰められている、など。

もう少し子育てにやさしい社会であれば、子供が幼いころは自分で育てると考える親も多いかもしれません。しかしこうした子育てをしにくい毎日を送るのなら、自分は外に出て働き、子供は保育園や学童保育に預けたいと考える親が増えても仕方がありません。

また雇用の不安定は結果的に「離婚率」もあげることになりました。安定した雇用についていないため、子供が出来ても育てられる自信がなく結婚を拒まれたり、雇用問題が原因で離婚をしたりする家庭が増えてきたのです。

片親が増えるということは結果的に子供を保育園へ入園させる家庭が増え、待機児童数を押し上げていることにつながったと言えます。

少子化なのに待機児童が減らない、それは保育所が増えないことも原因

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保育園に入っていた子供もいずれは卒園するので、入れ替わりで同数程度の子供が保育園に入るなら待機児童は生まれないことになります。

しかし毎年徐々に待機児童は増え続けているのです。その大きな原因の一つに保育施設が増えないこと、保育士が足りない現状があります。

なかなか上がらない保育士の賃金

では待機児童を受け入れる立場の「保育士」に注目してみましょう。

保育士は介護士同様、人手不足が言われ続けている仕事です。子供を相手に1日を過ごすため「過酷なハードワーク」であり、「責任は重大」、「保護者との人間関係も難しい」との理由から、離職者が多いのが現状です。

しかし何といっても保育士の人手不足の原因は「賃金が安い」ことが挙げられます。

保育士の給料は全国平均で年収約300万円。これは全産業平均の約490万円に比べてずいぶんと安い事が分かります。(平成27年度 賃金構造基本統計調査より)

責任が重く過酷な業務なのに、この賃金では割に合わない、将来家族を養うことができないといったことから、保育士が30歳を迎えるころに多くの離職者が出ており、求職者が増えない要因にもなっています。政府は2017年度から保育士の月給を約6000円上げると表明していますが、これだけで本当に求職者が増えるのか疑問視されています。

待機児童を受け入れる保育園を増やすことができない

またよく言われている問題として保育施設を増やすことができないことがあります。

これだけ待機児童が増えている中、保育士と共に保育施設も増やすことは急務です。しかし保育施設を建設しようとすると反対運動が起きるのも事実、理由としては「子供の声がうるさい」「親子の出入りがあると騒がしくなり、安全面が問題」といった他、「わざわざ公園をつぶす必要があるのか」といった建設自体に無理があるような事例も多いのです。

特に待機児童問題が深刻な都市部では、保育施設を建設できるような広い土地を探すのが難しく、結果として既存の公園を潰して保育施設を建てる計画があります。子供のための公園なのに、そこを潰す必要があるのか、保育施設の建設問題はなかなか一筋縄ではいかないようです。

待機児童は保育園だけではない

待機児童と言うと「保育園」というイメージがありますが、実は保育園を卒園した多くの子供たちが利用する「学童保育」も待機児童が多いと言われています。

保育園で預かってもらっているときは働きやすかったのに、小学生になると子供をどこにも預けることができない、そのため仕事を辞めざるを得ない…、これがよく言われている「小1の壁」です。

学童保育も待機児童が多い!

学童保育は小学校低学年の働く親を持つ子供たちが、放課後を安全に過ごすための施設です。その利用者は年々増えているのですが、実は学童保育を利用したくても 全国にはまだ学童保育のない区町村がまだ1割弱もあります(その数約130区町村)。

また母親が働いている小学校低学年の子どものうち、学童保育に入所している子どもは全国的にみるとま だ4割弱と言われており、潜在的な待機児童は約40万人と推測されています。(2014年 全国学童保育連絡協議会 調査結果より)

昔から「かぎっ子」と呼ばれる小学生はいました。しかしこれだけ働く親が増えている現在、家に帰っても誰もいない部屋で一人寂しく過ごす小学生が大勢いるのは問題視しなくてはなりません。保育施設同様、学童保育施設も急務の対策が必要となっています。

少子化に伴い増える「民間の学童保育」

しかしここ最近では、こうした学童保育の需要を受け「民間」による学童保育が増えてきました。自治体による学童保育との違いは、子供が滞在する時間に行うサービス内容です。

通常の学童保育はあくまで子供を安全に見守る施設であり、遊びながら放課後を過ごすことが一般的です。しかし民間の学童保育では、滞在時間に「様々な事を学べる」サービスがついています。

例えば宿題を学童で行うのはよくありますが、自治体の学童の場合は子供が自主的に行うものであり、勉強や宿題を学童スタッフが教えることはありません。しかし民間の場合、宿題を行う際はスタッフがしっかり見てくれるところもありますし、塾と連携して英会話や算数などの勉強をしっかり教えてくれる所もあります。

また学童に通う子供たちは「習い事に通うのが難しい」といった問題がありますが、民間の学童の場合習い事サービスと連携し、学童に来ることによって水泳教室や体操教室に通うことなども可能です。

このように滞在時間に学べる事も多く、学童の登下校もバスの通学が可能な民間の学童保育は徐々に需要も伸びてきました。

しかし最大の問題はコスト面です。自治体で行う学童保育の月謝がおよそ5000円程度なのに対し、民間を毎日利用した場合は9000円から2万円ほどかかると言われています。

しかし民間の学童保育の存在が、働く親を応援してくれるのも事実です。そのため国としても民間の学童保育に注目し、近年から企業などの民間の事業者に対しては、家賃補助などの援助を行うようになりました。今後民間の学童保育がどの程度増えるかは未知数ですが、利用者が増えるようなサービスが広がることに期待したいものです。

少子化でも待機児童が多い現状、どう打開する?

女性の社会進出や共働き家庭でないと生活が苦しいといった理由から、働く親を持つ子供は今後も増えていくことでしょう。それなのに保育施設や学童保育が増えることにはあまり期待が持てません。

では今後も増える続けると予想される待機児童について、何か対策はあるのでしょうか。

待機児童を受け入れる、保育施設拡大が急務

日本の雇用問題が非常に安定し、昔のように母親は専業主婦で家庭を守るといった家庭が増えれば、待機児童の数は減ることでしょう。

しかし景気回復の見込みは厳しく、また女性が社会に進出するようになった現在、専業主婦を求めるのは常識外れの考えと言えそうです。

まずは人手不足、施設不足が深刻な保育施設や学童保育の拡大が急務と言えます。

それには保育士たちの賃金を上げ、もっと働きやすい環境に整えてあげる事が大切です。また保育施設が増えるよう、住民の理解や多少の規制緩和も必要かもしれません。民間の学童保育が増えているように、保育施設でも優良な民間施設が増えるよう、国がもっと援助をする必要があります。

子育てしやすい社会になるよう、一人一人が心がけよう

また「保育園建設反対」が多く言われているように、日本は子育てをしにくい国というのは否めません。

一人一人がもっと子供に対し柔和な対応をし、「みんなで子育てをする」といった考えを持てば、保育園の建設も多少は増えるでしょうし、待機児童に関しても少しの時間であれば顔見知り同士が預かると言った関係を築くこともできます。

最近では「こども食堂」のように、夜遅くまで働く親を持つ子供を預かる民間の食堂が話題を呼んでいます。これは300円程度で食事を子供中心に提供するサービスであり、決して儲かる事業ではありません。しかし待機児童をなんとかしてあげたいと考える大人が、ボランティア精神ではじめたサービスです。

少子化による待機児童の問題はまだまだ解決するには時間が掛かりそうですが、こうした大人が増えてることにより、待機児童と呼ばれる子供たちが安心して過ごせる場所が増えているのも事実です。

一人一人が子供と向き合い、他人の子供でも育てることに少しでも協力できれば、待機児童問題はおのずと解決するのかもしれません。

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