本当に「ゼロ」になるか!?待機児童に対する自治体の努力

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 政府は2017年までに全国における待機児童をゼロにする指針を発表しました。
しかし2016年4月の時点で、待機児童の数は1.4万人おり、依然として高止まりの傾向にあります。 
さらに保育園などに子供を入所させることができず、仕方なく育休を延長したり無認可に預けたりしている「隠れ待機児童」も約6万人いると推定されています。
(2016年6月11日 朝日新聞本社調査より) もはや国にたよってばかりはいられない、各自治体も「仕事も子育てもしやすい街」にするための待機児童対策に力を入れています。

待機児童数が集中する都市部、各自治体が行っている取り組み

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東京23区保育園マップ(http://23kids.tokyo/23hikaku-hoikuen.html

待機児童が集中している東京都23区。雇用が少ないためどうしても都市部に人口が集中してしまう、そうして人口密集地となり土地が少ないので保育施設が増やせない。そのような原因が都市部に待機児童を増やしてしまいます。
都市部の自治体はどう待機児童をゼロにしていくのか、まずはその対策について見ていきましょう。

もっとも待機児童が多い街「東京都世田谷区」の対策

世田谷区は2016年でも待機児童数が全国一位、3年連続でワースト一位という深刻な問題を抱えています。

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ガベージニュースより(http://www.garbagenews.net/archives/2087326.html

その原因の一つに「世田谷ブランド」と呼ばれる住みやすい街のイメージがあります。都心に近いながらも自然は豊かであり、通勤の利便性も高い。結婚して間もないカップルは将来生まれてくる子供の待機児童問題まで考えてはおらず、住みたいまちランキング常に上位の世田谷に引っ越してくることが多いのです。

世田谷区としても人口が増えることには歓迎ですが、その結果矛盾して起こる「待機児童問題」に頭を抱えています。

そこで世田谷区は待機児童対策の一つとして永田町に働きかけ、「国家公務員住宅跡地」を保育園建設のために賃借させてもらえないか交渉しました。その結果、6カ所の保育園が建設され、今後も開園予定の保育園が続々と建設されています。

さらに「職住近接」と呼ばれる保育サービスが充実した民間オフィスも続々と増えています。ここのオフィスにはフリーランスで働く女性が勤務しており、子供は隣接された保育施設で預かってもらえます。午前中だけの利用や、週に3日だけの利用など、自分の都合に合わせて働けることも魅力です。

世田谷の待機児童をゼロにするにはまだまだ厳しい現状が続いていますが、子育てしながら働きやすい街を目指し、ワークライフバランスを考えた対策を中心に行っています。

もっとも子供を生みやすい!?「東京都港区」の太っ腹対策

待機児童数が多い街ほど「出生率」も低いのは事実です。しかしここ港区では23区の中で一番出生率が高い街で有名、住みたい街でも堂々の1位が続いています。
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港区は待機児童対策としてもつながる、「第二子保育料無料」政策を行っています。2015年度から上の子が保育園や幼稚園に通っている場合、二人目の保育料を無料にしたのです。所得に関係なく行われたこのサービスにより、二人目の子供も安心して生むことができる地区として有名になりました。

また港区は出産費用の助成が手厚いことでも有名です。一般的に出産育児一時金は42万円と言われていますが、港区ではそれを含む上限「60万円」まで助成してくれるのです。実費を超えることはないものの、「港区の出産は儲かる」といった都市伝説まで広まるようになりました。

こうして子供の出生率があがることで保育施設が伴うマンションが増えたり、自治体が子供を預かるサービスが充実したりすることとなりました。出生率を高めることにより、待機児童ゼロに近づける対策が充実していったのです。

消滅可能性都市から逆転「東京都豊島区」の待機児童ゼロ対策

池袋や巣鴨など、有名な繁華街がある東京都豊島区。一見人口も順調に増えているように見えますが、2014年、有識者による調査結果において豊島区は若い女性が今後五割以上減少すると言われた「消滅可能性都市」と名指しされました。

これは豊島区が待機児童も多く、子育てがしにくい街であり、自然と若い女性が遠のいていった結果と言えます。

豊島区はこれを受けてすぐに対策本部を設置、出産から子育てまでをトータル的に支援する「としま鬼子母神プロジェクト」を発足。また民間企業から採用された「女性に優しいまちづくり担当係長」が区政に就任してからは、順調に待機児童の数も減ってきています。

これによりお年寄りの街と言われる巣鴨でも、住まなくなった空き家をリノベーションし、子育て世代が徐々に住むように変わってきました。こうした流れを受け、児童館の充実化や認可保育園の数も徐々に増えています。

豊島区も待機児童ゼロとはいいがたいのですが、消滅可能性都市と言われてすぐに危機感を覚え、たった一週間で緊急対策本部を立ち上げるなどの迅速な対応の結果、徐々に待機児童問題も改善しつつあります。

地方都市のほうが住みやすい!?それぞれの待機児童対策

では東京の23区以外の、東京近郊にある地方都市の待機児童対策とはどうなっているのでしょうか。

実は人口は23区に比べると少ないものの、「待機児童ゼロ」を宣言している都市が少なくないのです。子供にも良い環境に恵まれ、仕事も安定して働くことのできる地方都市。その理由を見てみましょう。

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住友不動産販売|子育てしやすい街はここだ!(http://www.stepon-contents.jp/contents/special/archives/024306.html

幼稚園を有効活用し、待機児童を減らす「神奈川県厚木市」

待機児童問題と関連されて言われているのが保育園の不足です。そのため保育園に預けられない親たちが働くのをあきらめ、仕方なく幼稚園に入園させている現状も多いと聞きます。

神奈川県厚木市はそこに注目し、幼稚園児の放課後を預かる託児サービスをはじめました。

一日の流れはこうです。託児施設は朝7時半ころから預かりが可能、そこから幼稚園まで送迎バスが出ており、子供は幼稚園で過ごします。その後お迎えの時間に再び送迎バスが迎えに行き、託児施設に戻り、保護者のお迎えまで保育をしてくれます。

つまり幼稚園に通う子供たちも保育園と同様の託児をうけることができるのです。厚木市は働く子育て世代を応援しようと、このサービスを2014年に導入しました。

その結果本当は働くことをあきらめていた親たちが働く環境に恵まれ、専業主婦から正社員への道が切り開けたと話す人も多数います。

待機児童対策の一つとして幼稚園を活用することに注目した厚木市、この取り組みは全国的に見ても大変珍しいものですが、待機児童がゼロとなれば、今後この事業をモデルとした地区が増えていくことも予想できます。

待機児童ゼロ宣言「千葉県千葉市」

東京からほど近く、ベットタウンとしても有名な千葉市。毎年増えていく保育園入園希望者の対応に追いつけず、待機児童問題は千葉市にとっても頭の痛い問題でした。

しかし2014年千葉市は待機児童ゼロ宣言をしました。東京に比べると比較的土地に余裕のある千葉市は積極的に保育施設の整備を行い、2013年よりも360名ほど多く子どもを受け入られるようになったのです。

しかしそれでも入園希望者数はそれを上回り、保育施設をいくら作っても待機児童は減る見込みがありませんでした。

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suumoジャーナルより(http://suumo.jp/journal/2014/06/03/63616/

そこで既存の保育施設をもっと活用させようと、保護者の相談と情報提供に対処する「千葉市子育て支援コンシェルジュ」を開設。絶対に家の近くの保育園が良いと言っている保護者に対し、通勤途中に寄れる保育園、認可外の「千葉市保育ルーム」などをしっかり紹介し、保護者と保育施設のマッチングを図ったのです。

このような保護者へのあっせん、調整は千葉市独自だと言われており、その結果待機児童ゼロの目標を達成できたと言われています。

保育施設利用者がもっと多い「埼玉県ふじみ野市」

関東を中心に調査してみると、保育施設を利用している割合が最も多いのは「埼玉県ふじみ野市」と言われています。その率なんと96.5パーセント(AERA 2016年3月号 保活難民防ぐ街より抜粋)

またふじみ野市は平成24年に待機児童ゼロを記録しました。しかも認可を希望した人は全員入所でき、それからさらに保育園を増やしているので、数ある地方都市の中でもふじみ野市はと認可保育所にとても入りやすいといえます。

さらにふじみ野市は家庭保育室でも保育料の補助を行っており、認可にこだわらなくても質の良い保育を受けることができると好評です。家庭的な雰囲気で保育してもらえる場所が多く、たとえ幼稚園に通っている子供でも放課後一時保育にすぐに対応してもらえるため、わざわざ認可保育園にこだわる必要がないのです

そんな恵まれた環境においてもふじみ野市は、ほぼ毎年のように認可保育所の定員を増やしています。現状に甘んじることなく、常に働きやすい環境を作ろうと努力していることが、待機児童ゼロへとつながっているのです。

自分の街は子育てしやすい!?待機児童ゼロへ努力している自治体はどこだ

待機児童問題は、ただ保育園の数を増やし、子供が入園できればそれでよいといったことではありません。住む場所から通勤もしやすく、スーパーや病院などが近くにあり生活するには困らない。そのうえで子供も安心して預けられる保育施設が必要であって初めて待機児童問題が解決されるのです。

待機児童問題だけじゃない、自分の住む街は「住みやすいか」リサーチしてみよう

たとえ保育施設が充実していて待機児童がゼロだったとしても、子供を育てるうえで支援の少ない自治体だったり、病気になったときにサポート体制の少ない街だったら住みやすいとは言えません。

下の表は日経DUALと日本経済新聞社が独自にリサーチした「子育てしやすい街ランキング」です。子育てをしやすい条件として、認可園に入れるか、病児保育に預けやすいか、保育料の金額、ひとり親世帯への補助があるか、子育て世帯の割合はどうかなどをトータルして調べた結果、子育てをしやすい街は以下のようになりました。

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日経DUALより(http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=7518

先ほど紹介した23区の出生率が一番高い港区は第五位。高い数字ですが荒川区に比べると劣っています。荒川区が子育てしやすい街と言われる理由は、子育て世代の支援が充実していることはもちろん、マンションなどの値段が区内でも安いことが挙げられます。生活費があまり負担のかからない地域というのは子育て世代にとって重要なポイントです。

自分の住む地域の育児サポート体制、住む環境はどうか、行政の支援は手厚いのか、簡単に見比べられるサイトもあるのでチェックしてみましょう。

suumo 子育てサポート&教育環境 徹底リサーチ(https://suumo.jp/edit/kyotsu/gyosei_child/

保育園を増やすだけでは不十分、「ファミリーサポート」が充実した地域とは

ファミリーサポートセンターというのは、簡単にいうとその地区に住む住人同士が協力して子育てをバックアップしていくシステムです。

子育てがひと段落し、何らかの協力をしたい人が会員となり、子育て中で助けを借りたい会員のサポートを行います。子供の保育園や習い事の送迎、妊娠中のお母さんの家事へのサポートなど、サービス内容は自治体によって様々です。

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厚生労働省より(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/ikuji-kaigo01/

このファミリーサポートが充実している地域こそ、待機児童が多くても柔和に対応できることが多く、保育施設が少ない場合でも親の満足度は高いと言います。

ファミリーサポートセンターは今やほぼ全国の自治体で行っており、子供を持つ保護者ならば利用できることが多いでしょう。料金がかかるのが一般的ですが、民間のベビーシッターサービスなどに比べるとその値段は破格です。

自分の住む自治体がどのようなファミリーサポートサービスを行っているかはこちらから調べることができます。

一般財団法人 女性労働協会 サポートセンター検索(http://www.jaaww.or.jp/research/

待機児童ゼロに向かって自分たちができること

いまや全国の自治体が待機児童ゼロに向かって翻弄しています。

待機児童対策というと真っ先に思い浮かぶのは「保育園を増やすこと」かもしれません。しかし特に都市部においてはこれ以上保育施設を増やすのは難しく、現状にあるものでなんとかやっていかなければなりません。

しかしその一方、ファミリーサポートセンターのように住人同士が協力して子供たちを守っていく体制も整ってきました。プロの保育士とは違い一般人に子供のことを頼むのはなかなか難しいこともあるのですが、このサポートが充実し広まっていくことで、保育園以外の子供の居場所がでてくるかもしれません。

待機児童が多いから働けないと文句を言うのは簡単です。しかしその前に自分でも他人の子供に対し協力できることはないかと考えてみましょう。

また近年の民間保育施設では、夜の9時頃まで延長保育をしています。小さな子供がいるのに夜の9時過ぎまで働かなくてはいけない現状は、結果的に待機児童を多く生み出すことにもつながっているのではないでしょうか。

一人一人が働き方を見直し、子供にとって良い働き方というのはどういうことなのか、議論する必要もありそうです。

 

 

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