ゆとり教育は本当に失敗だった!?そのメリットとデメリット

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「ゆとり教育」と聞くとどのようなイメージがありますか?最近ではゆとり教育を受けた世代が社会人や親となり、何かにつけて「ゆとり世代だからダメだ」といった厳しい意見を聞くこともあります。

しかし詰め込み教育にと言われている現代、子供たちは日々忙しく柔軟な考えを持つことが難しくなっています。今後はさらに学ぶ教科も増え続け、余裕のない子供が増えていることが懸念されています。

ゆとり教育は何かとデメリットが多いイメージもありますが、実際はどうなのでしょうか。大人になったゆとり世代はどうなっているのか、今日はゆとり教育がもたらしたメリットやデメリットについて考えていきましょう。

1.そもそもゆとり教育とは

ゆとり教育とは、「詰め込み教育」と言われる知識量偏重型の教育方針を考え直し、思考力を鍛える学習に重きを置いた経験重視の教育方針のことです。学習時間と内容を減らしてゆとりある学校を目指し、1980年度、1992年度、2002年度から施行された学習指導要領に沿った教育です。

受験戦争が勃発していた80年代頃から、子供の教育は「詰め込みすぎている」「ゆとりがない」という批判が高まってきました。そうした意見を受けて文部科学省が授業内容の削減などを実施し、個性重視の考えのもと、これまでの追いつき型教育というのを見直したものがゆとり教育です。ちなみにこのゆとり教育という言葉は文科省が提言したものではありません。この教育方針が出された1998年の学習指導要領に、「子供に[生きる力]と「ゆとり]を」と記されたことからこの名称が生まれたとも言われています。

1-1.ゆとり教育のメリットとは

ゆとり教育が行われている90年代から、多くの公立小中学校で毎月第2土曜日が休みになってきました。徐々に共働き世帯が増えてきた頃でもありますが、子供が土曜日家にいるとなると、親も働き方を変えて土日は子供と一緒に過ごす曜日という考えが浸透してきます。今まではモーレツ社員だったというお父さんも、子供の週休2日に合わせて働き方を見直していきます。そういった点ではゆとり教育が大人の働き方も変えるきっかけになったと言えます。

またゆとり教育では「子供たちが自分で物事を考える力を育てられる」というメリットがありました。学校で教わる勉強範囲を少なくし、「観察や実験」「プレゼンテーションやディベート」といった自分で考えて問題を解決する学習を中心に行いました。算数の時間を減らして道徳の授業を当てた学校も多かったので、ゆとり教育の期間は一時的に「いじめ」や「不登校」が減ったという記録もあります。

1-2.一方でこんなデメリットも

ゆとり教育はデメリットが取りざたされることが多いのですが、代表的なものが「学力低下」です。算数などの授業時間を減らした原因もありますが、それまで相対評価と言われていた通知表の評価を個人毎に見る「絶対評価」に変わったことも学力低下を招いたと言われています

これは例えばテストで毎回90点を取っていた生徒が、2学期からはほぼ100点を取るようになった。この場合評価は最高の「5」であり、納得できる内容です。しかし絶対評価の場合、これまでテストが10点しか取れなかった生徒が2学期からは50点を取れるようになった、この場合も生徒の努力が評価され、通知表が「5」になるケースもありました。100点の学力の子供と50点の子供の学力評価が変わらないのですから、児童全体における学力はおのずと下がることになります。

また「競争社会」をやめようと、運動会の徒競走は全員1位、学芸会では全員主役の桃太郎といった内容も物議を呼びました。受験勉強における学力競争社会を緩和しようと「みんな平等」という考えのもと行われた背景がありますが、「順位を付けない」という考えは現実社会とはかけ離れており、社会に出てから挫折する子供が増えたとも言われています。

2.脱・ゆとり教育の現代

深刻な学力低下、競争経験のない授業、それは子供たちにとってゆとりではなく「ゆるみ」だという意見が寄せられ、2005年に文部科学省は「脱・ゆとり教育」から舵を切ります。

現在では土曜日の授業はないものの、ゆとり教育前の授業時間にほぼ戻されており、学ぶ内容もだいぶ変わりました。ゆとり教育で話題になった「円周率3.14」や国語の「古典・漢文」も復活し、公立の義務教育においてはだいぶ授業時間も増えています。

ゆとり教育の最中に行った国際テスト「TIMSS」によると、日本の児童の学力は長期低下傾向気味にあることが分かりました。「円周率3」という簡単すぎる問題を多用したせいか、ゆとり世代の中には四角形の面積を求められない子供が多いという調査結果もあります。

こうした背景から現代ではゆとりの前の「詰め込み教育」に似た現状に戻っているのですが、結局それだといじめや学力格差の問題が広がるのではないかと懸念されています。

またゆとり教育の中には福祉や人権問題といった「総合的な学習」や、国際問題やコミュニケーション能力を高めるための「21世紀型学習」という授業も積極的に取り入れられてきました。今でもその授業は行われていますが、ゆとり教育の時に比べると十分な時間を取ることは出来ず、今後の課題にもなっています。脱・ゆとりになってからは児童の学力は緩やかに上昇しているという調査結果もありますが、自分で「問題を解決する力」、「考える力」といったところは、ゆとり教育時代の方が充実していたのではないかという声もあります

3.結局「ゆとり教育」は失敗だったのか

結局のところゆとり教育は今見直され、現在では「脱・ゆとり」という形で新たな教育が再スタートされています。

しかし今後数十年後には「脱・ゆとりは失敗だった」などと言われている可能性もぬぐえません。教育に絶対正しいということはなく、その時代背景に合わせた内容を模索しながら進めるしかないのです。

3-1.ゆとり世代の人たちは今どうなっている?

「ゆとり世代」という言葉があります。これはゆとり教育が始まり、その期間に教育を受けた1989年生まれ~2004年早生まれで、ざっくり言うと平成生まれの人たちを指します。

ゆとり世代に対する世間の意見は辛辣なものが多いです。「仕事をすぐやめてしまう」「コミュニケーション能力がない」「言われたことしかやらない」など。

しかしゆとり世代の人達みんながそのような性格であるはずがなく、また教育によって若者がだらしなくなってしまったと言い切って良いのでしょうか。確かに昔の世代と比べると飲み会などの付き合いをしない人は多く、1人で過ごすのが好きと答えるゆとり世代は多く見かけます。

こうした背景は「時代の流れ」が大きく関係しています。SNSの発達により個人でいても多くの人とつながりを持てるようになり、わざわざ飲み会で他人から情報を入れなくても必要とすることは知ることができるようになりました。また地域社会のつながりが希薄化したことにより、子供たちは他人とコミュニケーションを取るのが苦手になりました。核家族が増えたことにより多くの年代の人と関わることも減り、昔に比べ他人との関りをどうしたらよいのか分からない人が増えたのです。

たとえゆとり教育が導入されていなくても、現代の問題とされている若い人たちの行動は同じだったと推測されます。それをすべて「ゆとり教育のせいだ」と片付けてしまうのは、あまりにも勝手すぎると言えるでしょう。

3-2.さまざまな教育課程を経て、現状に合わせた教育を行うのが大事

例えば「ゆとり世代のコミュニケーション能力がない」という事に関しては、スマートフォンなどの機械が物凄い進歩を遂げた要因があります。21世紀に入り、本当にドラえもんの道具のような技術革新がさまざま行われ、近年では教育が技術の進化についていけていないという現状があります。

またゆとり教育では「みんな仲良く一緒」という考えが浸透し、運動や学力を競うという内容も抑えられました。しかし社会に出れば競争しながら自分の技術を磨くのは当然であり、児童のうちからある程度の競争体験も必要ということが分かります。結局正しい教育というのは、過去に行われた教育の失敗例から学び、社会の状況に合わせた教育を模索していくことが一番大切と言えるでしょう。

まとめ 教育に「絶対に正しい」はない

結果的に現代も、子供たちにはどういった教育が良いのか模索しながら子供に教育を与えているのが現状です。「ゆとり教育は失敗だった」という声もありますが、ゆとり教育で目標とした「考える力」というのは目に見える評価が分かりずらく、失敗だったかどうかを証明することはできないのです。

子供たちに与える教育に「絶対これをやっていれば正しい」ということはありません。またどれだけ学校が頑張っていても、家庭で子供たちにしつけを行わなければ子供達の立派な成長はありません。

ゆとり教育世代であろうがなかろうが、結局のところ本人の努力次第で人生は決まります。そのような姿勢を忘れず、大人も子供も努力を持ち続けて進むことが大切です。

 

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